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障害者IT支援制度の利用事例

「使いこなせると思わなかったパソコンとの出会い」

かながわ障害者IT支援ネットワークでは、障害のある方の社会参加を促進するために、「障害者IT支援制度」を行っています。

支援依頼があった際は、支援団体を通して、当事者やその家族、事業所へボランティアを派遣し、IT機器やインターネットの設定、ソフトなどの使い方のサポートを行います。

今回、実際に当制度を利用して、生活が豊かになったという厚木市にお住いの長谷川さんのご自宅に伺い、インタビューをさせていただきました。

普段はどのように過ごされていますか?

身の回りの日用品などは近所のスーパーへ(週2回程度)買い物に行きます。
大きい物や重い物を購入する時は、ヘルパーさんに手伝ってもらいます。ヘルパーさんは、週に3〜4回自宅に来てくださり、食事や身の回りの世話をしてくれます。
また、映画が好きなので、映画館へ車いすで出かけます。

映画館へはよく行かれるのですか?

一ヶ月に一度は行きます。
自宅から近い映画館(ららぽーと海老名)へ、一人で車いすに乗って、電車もしくはタクシーを利用して行きます。

当制度を依頼するきっかけを教えてください。

パソコンに興味がありました。障害者更生施設にいた際、ケアマネージャーの方から、こちらの支援制度を紹介していただきました。
もともと音楽が好きなので、パソコンで音楽を聴いたり、何かできないかと思い、相談したのがきっかけです。最初は電源の付け方さえわからなかったのですが、支援を受けるうちに色々と使い方など覚えました。

支援はどのくらいの期間受けているのですか?また、支援を受けてどのように感じますか?

2年ほど、継続的に支援してもらっています。音楽を聴く環境が変化しました。
最初はパソコンを使って何が出来るのかイメージがわきませんでした。
Youtubeも知らなかったですし。

これまで、やったことがなかったCDの曲をパソコンに取り込んで、iPod touch(※1)で音楽を聞く事ができました。

また、パソコンの容量が一杯になった際、ハードディスクなど周辺機器の提案やその他機器の購入の相談もさせていただきました。 支援していただくうちに色々な事を教わり、新しい知識が身についた事がうれしいです。
※1) iPod touch・・・アップルが開発・販売する、フラッシュメモリを内蔵したiPodシリーズのポータブルメディアプレイヤー

支援を継続的に利用されている理由とは?

これまでお話しした通り、パソコンから取り込んだ音楽データをiPod touchで聴いていましたが、支援を継続していただく中で、Apple TV(※2)など新しい機器を提案してもらい、テレビをインターネットに繋いで音楽を聴いたり、パソコンよりも簡単にYoutubeの映像を観たり、常に興味深い事を教えてもらい生活する環境が変わりました。
※2) Apple TV・・・アップルが開発・販売するセットトップボックスである。家庭内でビデオ・コンテンツをiTunesからテレビへ無線LANあるいは有線LANを通して配信することができる他、YouTubeの映像も見ることができる。

どんな方に支援が必要だと思いますか?

パソコンに興味があって、使いたいけど使えない人にはぜひ利用してもらいたいです。
若い方には特に必要なのではないかと思います。私みたいに何も知識がなくても教えてもらい、ここまで出来るようになりました(笑)
Apple TVに関してはテレビとリモコンがあればすぐにインターネットにつながりますし、リモコンはボタンが少なくシンプルで使いやすいです。私のように障害で左手が震えたりしても押し間違いはほとんどないです。覚えてしまえば本当に日常が楽しくなります。

※インターネットの環境はWi-Fiとの事。

最後に、ご覧いただいている皆様へメッセージをください。

最初はパソコンで何ができるかわからなかったですし、今のように使いこなせるとは到底思いませんでした。
私は運よく信頼出来る方から当制度を紹介していただき、相談を重ねながらここまで充実した生活を送らせてもらっています。
私のような境遇で、パソコンで何かしたいと考えている方はもちろん、IT機器などに興味があれば当制度を利用するのをおすすめします。
不安もあるかと思うので、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
※当制度は神奈川県にお住まいの障害者の方のみ対象です。

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