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神奈川県ライトセンターへのインタビュー

神奈川県ライトセンター表札

横浜市旭区にある「神奈川県ライトセンター」(設置者:神奈川県)は、視覚障害者や支援をする方を対象とした、
日本赤十字社(指定管理者)が運営する施設です。 前身の「神奈川県点字図書館」時から運営している図書館機能をはじめとした「情報提供事業」の他、障害者のQOL(Quality ofLife=生活の質の向上)を高めるための支援活動を行う「指導訓練事業」、障害者を支援するボランティアを育成する「ボランティア育成事業」などを行っています。 今回は、神奈川県ライトセンター支援課の船津様と青山様に、IT機器を障害者の方が活用するための支援や、ボランティアの育成を中心に、インタビューを行いました。


笑顔でインタビューに答えられるライトセンター職員のお二人(写真左側:相談指導係長・青山様/写真右側:支援課長・船津様
(左:相談指導係長・青山様/右:支援課長・船津様)


ライトセンターでは、視覚障害者の方が、IT機器を活用するために、 どのような取り組みをされて
いますか?

IT機器の利用については、個人毎に理解度や習熟度、使用されたいと思う機器も異なるため、講習会の開催は年に1回ほどで、個別対応が中心です。
個別対応は予約制で、主に電話相談後に、対応可能な日程で予約を受け付けています。2016年は、100人以上個別指導を行いました。


IT機器についての個別対応は、どのような相談が多いのでしょうか?

個別対応は、iPhoneやiPadを購入したいが、どのよう機能があって生活に活用できるのかなどの購入前の相談や、既に購入したがよくわからないから教えてほしいという購入後の相談、パソコン操作や環境設定についてのご相談など様々です。
ライトセンターには、練習用にSIMなしのiPhoneがあるので、購入前に実際の操作方法を試してから購入することも可能です。
視覚障害者の方がパソコン使用される場合は、声で入力する音声ソフトの使用が多くあります。
音声ソフトを使用してのパソコン操作は周囲の声を遮断して行えるのが理想ですが、それができない状況でも学びたいという視覚障害者の方の思いに応えて、 ボランティア指導員の方々がサポートしています。

個別対応でパソコン操作を支援する様子、写真奥側が支援者男性、手前側が視覚障害者女性
(個別対応でパソコン操作を支援する様子)

個別対応を受けられる回数の制限などはありますか?

視覚障害者を対象とした機器であれば、ライトセンターで何か月も講習会を開催しての指導も可能ですが、スマートフォンや携帯電話については、長期間開催するのは難しいため、3・4回程が限度です。
使いこなせるように自発的に習得していただくためにも、ひとまずその回数を目安としています。その結果、やはりもう少し理解したいという場合は、再度の個別対応も可能です。




個別対応が主ということですが、これまでに開催された講習会は、どのような内容で実施された
のでしょうか。

平成27年度には、外部機関の方が講師となって「iPhone教室」を講習会形式で1度開催しました。
iPhoneを購入しても、電話やメールが使えないようでは困るため、電話とメールに 特化した講習会として、アプリなどの他のことには答えない時間としました。 この時は、指導用のiPhoneを借りることができたので、受講生の方に実際に操作を していただき、iPhoneの形状やボタン操作からスタートして、Voiceover(注1)の基本や、受信したメールを音声で読み上げたり、Siriによる音声入力で新規メールを作成するなどの内容を指導しました。

(注1):VoiceOver とは、 iPhone に標準で搭載されている、視覚に障がいのある方でも iPhone を使えるよう考慮されたアクセシビリティ機能のこと。 画面の読み上げや、 画面を見なくても操作できるジャスチャー機能などがあります。

パソコンとiPhoneのイラスト画像

講習会の際には、受講生1人ずつに、サポートする方もいらっしゃるのでしょうか。

ライトセンターの職員の他、ボランティアが、受講生1人ずつにマンツーマンでつき、講師の方の説明に合わせて、1人ずつ手で触って一緒に確認するなどの補足をしました。
ボランティアは、講習会のサポートだけでなく、主に個別対応で視覚障害者の方の目の代りとして、支援を行っています。




ボランティアには、どうしたらなれるのでしょうか。

ボランティアには、IT機器を指導するボランティアの他に、スポーツの介助や、点訳・録音、在宅援助など、様々な専門ボランティアがあります。
どの専門ボランティアになるにも、最初にボランティア入門講座の受講が必須です。 その後、各専門ボランティアの講座に進んでいただきます。
現在、ライトセンター内で活動しているIT機器のボランティアは、30人以上 います。

センターの様子

【ジョギングコース】
ライトセンターの敷地内には、ガイドロープを設けるなどの、障害者の安全を考慮した障害者用ジョギングコースが
あります。


ボランティア養成講座の開催頻度や募集方法について教えてください。

ボランティアとしてスタートするための、入門講座の開催は、年に5回開催 しています。
毎月1回発行している「ライトセンターだより」やライトセンターのホームページ の他、広報誌「かながわ県のたより」などで募集しています。


月1回発行のライトセンターだより

入門講座からスタートして、各専門ボランティアの講座を修了するまでには、どれぐらいの期間が必要でしょうか。

ボランティア入門講座は、年に5回開催していますが、各専門ボランティア講座のスタートは、講座ごとに違うため、入門講座を受講された時期によっては、希望される専門講座を受講できるまでに期間が空きます。
なお、点訳や録音ボランティア講座は、全ての講座修了までに約1年必要で、講座修了後の審査に合格すると、専門的なボランティアとして活動が可能です。
パソコンサポートの講座は、1回2時間の講座を計8回受講されると、ボランティアとして活動が可能です。
ただし、専門的なボランティアとして活動する場合は、団体に所属する必要があります。


ボランティアが、視覚障害者にパソコンやiPhoneなどの個別対応をする場所は、ライトセンター内だけでしょうか。

ご相談内容によっては、障害者の方のご自宅にうかがい個別対応を行っています。
視覚障害のために、マウス操作ができなくなった方に、マウスを使わずに音声ソフトでキーボードを操作する方法を学んでいただくなどのサポートを行っています。
ITサポートボランティアは、講座修了後もボランティア同士で勉強会を開き、その回ごとのテーマを決めて対応方法の練習を行ったり、最新の情報を共有し合ったりして、IT支援のスキルを高めています。




それでは最後に、今後のIT機器を活用した障害者支援の目標を教えてください。


現在は、IT機器を活用しようと積極的に学んでいく方と、全く興味を持たれずIT機器に触れてみようとされない方との差が大きく開いています。
IT機器を便利に活用することで、世界が広がり、生活が豊かになっていく事も多いので、まだ動きだしていない方に、IT機器を活用しようという気持ちになって、動き出してもらうことを目指しています。
ライトセンターに登録をしていただければ、各種講座の開催予定を掲載している「ライトセンターだより」が毎月郵送となるので、これまでライトセンターに係わったことがない視覚障害者の方は登録していいただきたいと思います。


神奈川県ライトセンターの建物外観 神奈川県ライトセンターの施設概要説明看板。以下看板記載内容。視覚障害者向けの図書や雑誌の貸出・制作を行っています。視覚障害者を支援するために相談をお受けしたり、各種訓練を行っています。視覚障害者を援助するために、ボランティアを養成しています。視覚障害者の健康増進を目的に、スポーツ施設を運営しています。視覚障害者について理解を広めるために、福祉教室や見学会を行っています。
神奈川県ライトセンターのキャラクター、ライトちゃんのイラスト画像

【神奈川県ライトセンターのキャラクター、ライトちゃん】

取材先
【神奈川県ライトセンター】
郵便番号241-8585
横浜市旭区二俣川1-80-2
電話045-364-0023(代表)
ホームページ:http://www.kanagawalc.org/index.htm